PEOPLE

社員紹介

DRAMA & CINEMA

塚原 あゆ子AYUKO TSUKAHARA

エンタテインメント本部
ドラマ映画部 プロデューサー・ディレクター

1997年入社

2019年10月クール TBSテレビ日曜劇場『グランメゾン東京』チーフディレクター

はじまりは、なんとなく。

大学は文学部、映画や芝居が好きな普通の大学生でした。就職活動のときも「どうしてもこの職業」というのは、なかったですね。ホームページで脚本家を募集していたのを見て「文学部だし書く仕事もできるかな」と応募したのが、現TBSスパークル。ドラマの制作会社だったので、まずは助監督として配属されました。ロケ地を探したり、セットに関する発注をしたり、監督を助ける仕事と雑務が主な仕事。撮影現場で助監督をしていると、やっぱり監督の仕事が面白そうに見えてきて。助監督は10年やりましたが、その中で自然と「自分も監督に」と思うようになっていきました。
木下プロダクションで助監督10年、ドリマックスでプロデューサーを2年、29歳で初めて『夢で逢いましょう』を監督して今に至ります。初めての自分の企画での監督作品はWOWOW『CO 移植コーディネーター』、初めてのチーフ監督はNHK『ラストマネー -愛の値段-』です。どちらも自分の企画で監督を始めました。2018年、映画『コーヒーが冷めないうちに』を撮りました。なんとなく入った会社でしたが、今は天職だと思っています。

「ドラマの世界」をつくる、チーフ監督の仕事。

2019年10月クール、TBSテレビの日曜劇場『グランメゾン東京』(TBSテレビ制作)では、チーフ監督(ディレクター)を担当しました。連続ドラマでは複数の監督が各回を持ち回りで担当します。その中でチーフ監督の重要な仕事は、「ドラマの世界」を決めること。『グランメゾン東京』のように料理を扱う人間ドラマは過去にもありました。それらとどう差別化を図るのか、どこに新しさを出すか、どうアップデートするか。国内外の旧作も研究し、何をしたら「これまでにない作品」にアップデートできるかに気を配りました。

具体的には、扱う料理と調理シーンの演出。ミシュラン社とのタイアップもあったので、扱う料理はフードコーディネーターのものではなく「ミシュランの星を取った料理人の料理以外は使わない」と決めました。そうすることで、どの監督が撮っても「一流の料理の絵」がそろっていきます。また、調理シーンは手持ちのカメラを使って、一連の流れを撮影。どの調味料を入れるのか、茹でているのか、炒めているのかなど、料理の味に関わる工程はスローにし、何をしているかわかる部分は早回しにするといった基本的なカメラワークも決めました。綿密に計算して「何をやっているかわかり、味も想像できる」料理シーンを目指しました。

台本の外まで、想像を巡らせる。

『グランメゾン東京』では、物語の途中でレストランがオープンするシーンがありました。今後の物語を左右する重要なシーンです。自分の担当回でなくても、あらゆる展開を見越して、「店のルール」を想像し台本に書かれていない細かい点まで決めていくのもチーフ監督の役割です。

例えば、レストランの受付。建物は2階建ての設定で、1階部分は実在店舗、2階はセットを組んでの撮影でした。連続ドラマの台本は、物語の途中で変わっていくのが常。当初は台本に書かれていませんでしたが、あとになって「レストランが繁盛してお客様の行列ができるシーン」が必要になることも考えられます。受付を2階に置いてしまったら、撮影場所が異なる1階への行列は、映像で表現が難しくなる。作られた「ドラマの世界」でも実在できないレストランになってしまいます。だから「受付は1階に置く」と決めておく必要があるんです。

他にも「レストランのテーブルセッティングは前日の夜にやるのか、当日のオープン前にやるのか」、「ご予約のお客様と一般のお客様をどう見分けるのか」など。本職の方にとってはルーティンなことでも、役柄を演じる俳優にとっては「こういうとき、どうするの?」と戸惑うポイントになります。映像として使う・使わないは関係なく、俳優たちが自然に芝居をできる環境を整える。俳優たちが引っかかりそうなポイントをクリアにしていく作業は、チーフがやるべき。そう私は思っています。

視聴者と、どう向き合うか。も大切。

これまで火曜ドラマ、金曜ドラマ、日曜劇場と、さまざまな枠を担当しました。監督は自分の表現を追求する一方で、視聴者との向き合い方も意識しなければいけません。放送時間帯によって演出のアプローチは変わりますね。

金曜ドラマのときは「おうちに引っ張り込む」ことを考えていました。ターゲットにしたい層もある程度決まっていたので、その人たちが中毒性をもって見てもらえるように、と。日曜劇場は、たくさんの人に見てもらうための枠だと思っていて。家族で見られて、元気がもらえるというか、「明日からまた頑張ろう」と思ってもらえるよう意識しています。この演出だと子どもたちは分かるだろうか、自分の母親世代は分かるだろうか、色んな人の顔を思い浮かべながら作っている感じですね。みんなが楽しめて、心に何かが残る。でも、難しくない。そういう所を狙いました。

大変だったのは、
はじめの一歩。

ドラマの仕事は相当なお金が動きますし、現場では200人くらいが働いています。その人たちが「あの人誰?」という状態では仕事にならないというか。実績がないと監督の仕事を任せてもらえない世界でもあります。あの作品を撮った人と言われるような「自分の名刺」を持つまでが大変でしたね。
企画を通すためにも、自分の名刺が必要ですし、何をやりたいかでは仕事は来ない。何をしてきたか、何かを出来ると思わせる事。実績がないときもその作業をすることが一番大変でした。

そんなときに助けてもらったのが、すでに自分の名刺を持っている先輩の方々でした。映画は監督が一人ですが、連続ドラマは監督が複数います。先輩がチーフ監督の作品で、2番手、3番手の監督として呼んでもらって、自分の名刺が増えていきました。テレビドラマの作り方やスピード感、台本の作り方、映像の撮り方など、大切なことはすべて先輩から学びましたね。恵まれた環境です。

MESSAGE

ある人から「不安なときにエンタメがないと、もっと不安になる」と言われたことがありました。病気で入院したときの不安な時間、ひとりで過ごす寂しい時間、誰もが持っている陰な気持ち……。エンタテインメントには、誰かの不安や寂しさを忘れさせるパワーがある。「それをつくるのが、あなた」と言われ、この仕事の素晴らしさ
を再認識しました。
そういうパワーのある
コンテンツをつくる会社です。
大志を抱いて
入ってきてもらえたら
嬉しいです。

WORKS

  • ほぼ同じスタッフで、4〜5年かけてつくった、湊かなえ三部作『夜行観覧車』『Nのために』『リバース』(ともにTBS 金曜ドラマ)。『夜行観覧車』の小道具が『Nのために』に出てきたり、『Nのために』の俳優が『リバース』に出てきたり。作品をまたいだ仕掛けで、シリーズとして育っていった思い出の作品。

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  • TBS 金曜ドラマ『アンナチュラル』。個人的には解剖をテーマにした過去の作品、偉大な作品への挑戦だった。グロテスクな描写にならないよう右往左往した。楽しく明るく見られるように仕上がったのは、自分として頑張った点だと思う。

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  • 映画『コーヒーが冷めないうちに』。人を楽しませる映像を作るという点では、ドラマでも映画でも自分の仕事は変わらないと思ったが、映画は見た人の中で熟成されるものだと、その伝わり方、記憶への残り方の違いを感じることができた。

  • TBS日曜ドラマ『グランメゾン東京』。とにかく料理にこだわった作品。映像的においしそうに見える色と、実際の料理の色にギャップがあり「料理の皿における赤とは」とか「どう撮ったらおいしそうに見えるか」とか悩むことも多かった。

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SCHEDULE OF
ONE DAY

7:00

起床

犬がいるので犬の世話 緑山スタジオに移動

8:30

スタジオ前室にてロケの相談

台本に書いてある場所をどこにするのかなどを、制作部と相談します。

9:00

スタッフルームにてスケジュールを相談

ドラマ制作にはスケジュールを管理してくださる部署がいます。その人の言うように、スタッフは仕事をします。これはその相談をしているところ。

10:00

今日の差し入れ

皆のやる気のもと。

13:00

セットで撮影

撮影にはロケとセットがあります。今日はトイレの中のセット。ロケと同じものが一部セットになっています。実際のトイレは狭くて辛いので、壁の外れるセットを組みました。

19:00

音打ち

青山のスタジオで音楽やSEに関する打ち合わせ。編集上がりという音の入っていない素材にどう音楽を貼り付けていくかを相談しています。

23:00

帰宅

犬がいるので犬の世話
明日は編集という作業なので、その勉強をしてから寝ます… 

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